モバイバル・コード

 殺人ありきのゲームなんて、葵に勧められるのかよ。


「オレはやらないよ、携帯ゲーム。そのサイトはつまらないサイトだからやめておけって。オレは良く知らないけど……雷也が言ってたぞ。

あいつ強いんだぞ、ゲーム。おーい雷也」



 気づいたら二人とも逆上がりの練習をしていた。夜中に何をやってるんだ、お前らは。


 葵はゲームが上手そうだ、下手したら『本戦』に出場する事になるかもしれない。止めないとな。



「なぁ、ゲームは良いからメールみたいな機能あるだろ? それでメールしよう。オレのIDは“Ryu1”だから」



【よくある名前なんだな。龍一は打つの苦手そうだから、今メッセージ送るね。】



 メッセージはすぐに届いた。
 

 近くだから早いのか。


 中を開くとメッセージに『写真』が張ってある。


「これはまずいだろ……」


 葵はオレの携帯をパっと取り上げると手早く操作をした。



【はい、これでわたしからメッセージが来れば写真が出るよ。なんだか恥ずかしいかな。でも龍一が相手だから凄く嬉しい。】



 葵の直球勝負なセリフに汗が止まらない。


「分かった分かった、この写メはあの二人に見せられないし、オレだけの秘密にしておくよ…」


 葵が不思議そうな顔をする。リアクション全てが純真無垢(むく)で、ボディジェスチャーだけで会話が成立するんじゃないのか。



【どうして見せられないのかな?あの二人は付き合ってるんだよね。】


 
 鋭いツッコミにすぐに反応は出来ない。


「なんとなく……幼馴染だからそういう恋愛事とか見せたくない。普通になんつーかその……」


 クスクスと葵は笑っていた。クソ、失言だ。何あたふたとやってるんだ、年下の前で。