モバイバル・コード

 交換条件を出したつもりなのに、なぜかオレが従っている。



「ああ、なんだかマイペースな感じだな、葵って……」


 本屋の明かりを背に、少しだけオレがかがんだ。


 葵の紫色の携帯カバーケースがハッキリと見えた。なにやらシールが付いている。


 二人が見つめる携帯電話に葵が文字を打つ。


 このカメラは普通のカメラとは違うようだ。


 文字を打ちながらも『カメラ機能』が使えるんだな。



【撮っていいかな?】



 葵は少しだけ目線を下に向けている。まつ毛の長さがオレの2倍はありそうだ。


「いつでも来い! なんだか変な展開になってきたが、オレはこういうの歓迎するぞ」



──真実10割


 この気持ち、嘘じゃない。


 年下の女の子には興味が無かったけど…こういうのも少しだけ楽しいかもしれない。