モバイバル・コード

【年上の人って言ってごめんなさい。でも良かったな。あなたの彼女さんじゃないんだね。】



「あーまた書いてる!」


「ちょっと愛梨落ち着いてよ、子供の前だよ……」



 葵を丸ごとかじりそうな彼女を雷也は懸命に抑えていた。



「ねぇ。何が? 何が良かったんだ?」


 オレ達が会話をするのと、さして代わりのない速さで携帯に文字を打ち込む。


 これほど早く文章を打つ人を見たことが無い。


 雷也も愛梨も早いが、段違いだ。


 オレが少しだけ高さを葵の身長に合わせようと屈んだ。


 魔法の指先で打つ天使の文字を読もうとしたその時。



──『ギュッ』


──天使が抱きついてきた



「ちょっ、ちょちょちょっ!!」



 女性の身体をむやみに触るわけにもいかない、オレはそっと、そっと葵の細身の身体を肩から押す。


 愛梨が鬼の形相で見つめて今にも叫びそうなのを、雷也が口に手を当てて抑え付けてる。

 
 なぜオレが愛梨に怒られないといけないんだ。


 天使はまた画面に魔法をかけた。