レジ脇から出てきた店員の前にオレは割って入った。


「すいません、妹が迷惑をかけて……こら、あおい」


 オレはあおいの頭を撫でつつ、手に持つ会計カゴをレジの上に置いた。


「ちょ、ちょっとりゅうちゃ……」


「僕達! 先に出てるねっ! 会計よろしく」


 雷也が鈍感な愛梨を外に連れて行った。雷也のグッジョブに助けられたな。


 店員がジロりとオレのことを睨みつけた。



「ちょっとお客さん、どういうこと? 本当に妹さんなの? どうしてそんなにお金を持ってるのか説明して欲しい。少し様子もおかしいし」



「妹だよ、コレ、会計してもらえる? “あおい”、そのアイスもカゴに入れて」



「う、うう……うん」


 “あおい”は震えた手つきでゆっくりとかごの中にアイスを入れた。


「私もね、この地区の安全保安員なんだ。何か事件があってからでは遅いんだよ!ちょっと説明してくれ……」



──『ボンッ』



──帯付きの100万



 お金の神様、ごめん。


 カッコよく決めたいから叩きつけさせてくれ。