「政府がサイトを管理するといっても、トップクラスの携帯ジャンキーは目障りなんだよ。

流石にこうもバカが量産されて社会に迷惑をかけている以上は、ある程度消させてもらう。口で言っても分からない輩に『言葉』は要らないだろ。

楽しいゲームをして消えてもらいましょっていうのが政府の意向。

もう一つ目的はあるが、それは言えない。龍一、お前なら考えたら分かるだろう」


 分かりたくねぇよ。全然。


「ハハハ、悪いが、説明はここまでだ。これでも霧島『元会長の知り合い』って言うのでサービスしてやったんだ。

それとな、龍一。お前の胆力に敬服して話せるところまで話した。参加した理由が霧島元会長の不正だったのは残念だな。だがな、勝てばいいんだよ」


 慶兄、オレは、オレ達はどうすればいいんだよ。


「ほらよ」


 竜二がワゴン車から紙袋を二つ持ち出し、雷也と愛梨に渡した。


「さ、仕事は終わり」


 竜二はそうつぶやくとネクタイを外した。


「龍一、ここからはな、俺の個人の言葉だ。霧島元会長の無念を晴らしたいなら、俺や国が憎いなら勝ち上がって一発、俺をぶん殴れ。

ゲームの内容はキツいものだと聞いている。

だが、『携帯電話』に縛られない『自由な発想』を持つお前なら、必ず勝ちあがれると信じてる。

敵味方の関係にはなっているが、お前の事はただの高校生じゃなくて、一人の男として見ているぞ」

 
 オレも愛梨も雷也も……3人とも立ちすくんだままだ。 


 竜二が車に乗り込み、助手席の窓を開けた。