モバイバル・コード

 オレも慶兄のあの、インタビューを聞いていてその通りだと思っていた。


 だけどな、『バカバカ』ってうるさいんだよ。


「あんたの言いたい事は分かる。でもやり過ぎだ。それでこんなサイトを作るなんて、間違ってる。ちゃんと誤った方法で使用する若者を教育していけばいい話だ」


 サングラスの下は見えないが、きっと眼だけで笑っている。


「ハハハ、語りが長すぎたな。まとめるぞ」


 竜二は少しだけ溜め息を吐き、空を見上げた。日も落ちかけた、夜空を。


「お前達に打ったのは『猛毒のカプセル入り』注射だ。こちらが『操作』をすれば、すぐに致死量の毒が身体を駆け巡る。

詳しい仕掛けは俺もわからんが、国が絡んでるマジな代物(しろもの)だ。

そのカプセルは『モバイバル本戦』で勝ち残るまでは取り除くことが出来ない。

本戦の参加者は『30名』。

選抜基準は言えないが、参加者は全員、オレが話した『モバイルジャンキー(携帯中毒者)』共だ。

まぁ勝手に想像してくれ。

『バカの中のバカ』を消す為に、俺達は『モバイバル本戦』を開催するが、流石に全員殺すのは可愛そうだし、こちらも『不本意』だ。

それにお偉いさん方の賭けの対象にもなるんでな。

上位『3名』までは生き残る。

いいか、もう一度言う。

『3名』までは助ける。

丁度お前達の数。

本当は1名だったんだが……『ある事情』でそれが変わってな。

お前達が必死で頑張れば死なずに2億円、これは絶対に渡す。

すでに渡した900万がその証拠だ。政府もメンツがある。

『全国のモバイルジャンキー(携帯中毒者)達の王様』

つまりは『モバイバルキング』になった奴くらいは釈放してやろうというのが意思だ。

分かってると思うが、お前達の参加した理由はゲームの成績上位だったわけじゃない。

霧島元会長の『執行』理由の一つ、ただの『えこひいき』で参加している。

それは俺も知ってる。特に坊やなんて携帯に詳しくないんだろ?霧島会長が言っていたぞ」