モバイバル・コード

「ああ、死ぬかもな。やるのは俺じゃないけどな」


「『コイツ』はなんだ?」


 竜二はオレが持っていた注射器を冷たい眼差しで見つめた。


「龍一坊やは寝ぼけてて、最初に『何をされた』のか考えなかったのか?」


「……どういうことだ? まさかっ」


 そうだ、オレは『真田署長』に睡眠薬を盛られて、寝かされただけだと思っていた。


 いつの間にか自分の都合のいいように……物事を考えていた。


 目覚めてすぐに、こんな『プロ』が居たので想像力に欠けていたのを認めざるを得ない。


 あの冷徹そうな署長が、タダで開放なんてさせくれるわけが無い……よな。


「察しがいいな。じゃあ本題に入るぞ。これまでのは全部遊びだからな。お前たち3人のノリがいいものでついつい遊んじまったよ」


 雷也も愛梨も何をされたのか気づいたのだろう。ずっと一ヶ所を見つめていた。


 オレ達は……『右腕の注射痕』を見ていた。凄く小さな傷だった。


「本戦出場者のお前達には『モバイバル本戦』に参加してもらう。このゲームは大金がかかるゲームだ。本戦出場前には規約の所にしっかりと書いてあった文章がある。多くの人間は読んでないだろうが」