モバイバル・コード

 ヤツがゆっくりと語るのを、オレは現実感がなく聞いている気がする。


 今日は観たくもない動画を見て。


 行きたくもない警察署で昼寝をして。


 やりたくもない『プロ』と戦って。


 賞金も出ない慶兄クイズをして。


 最後はめでたく死刑か。


 オレの人生で一番忙しい日になりそうだ。


 雷也がその目線をオレに向けてくるが、光が弱まっているのが分かった。諦めている。


 クイズの答えを、オレは解答してあげる事にする。


 自分が唯一自分で学んだ、携帯電話の便利機能だ。


「慶兄はとっさに、携帯電話のライトを使ってあなたの目に照射したんだ。多分、部屋に入って10秒も経たない内にあなたは襲ったんだ。普通に考えたら明かりなんて持っているわけはない。

だが、慶兄は携帯電話のライトで対応してきた……これは、正解?」