モバイバル・コード

「あああっ! すいませんすいません、ごめんなさい! えっ?」


「はいこれ、プレゼント」


 重いまぶたを開けると加藤さんが『白い箱』を持っていた。


 箱には何も書いていない。


 開けてみろという加藤さんの声に従う。


 少しだけ、胸がドキドキする。良い物……かな。
 


『ガサッ』


 
 箱の中には発泡スチロールで包まれたものが入っている。



──『黒い携帯電話』


 
 これ、2,3か月くらい前にテレビのCMで見た気がする。


「やるよ、おじさんからのプレゼント」


「え!? プレゼント!?」


 慌てて続ける。そりゃそうだろう。こんな高価な物……。