~夜~
お泊りのよるといえば、
女子恒例の恋バナ‼
わたしにとっては恋バナでもなんでもないが。
「よっし!ここは恋バナ!」
加恋が叫ぶ。
「いいね!しよしよ!」
のりのりの咲。
「とくにさ!美紅と真野の今の関係しりたい!」
そう。私はみんなの聞く専門なんだ。
「いまどんな?デートした?手つないだ?もしかして…ちゅーした?」
「いやー、もうやめてよ~」
はじまった…
「ねえ!おしえてってばー!」
「んーまあ、デートはした。」
「やっぱー!どこいった?」
「ええー、映画とか…」
「まじ?羨ましいー!」
「で?手は?」
「…うん」
「きゃあ!もうラブラブじゃん!」
「もうてれる!」
あたし…話にはいれてない?
でも、悲しいはずなのに、
どこかで悲しく思ってない自分がいる…。トマトのところにいたとき、話しかけられたけど、
嬉しかったけど、緊張したりどきどきしたり…そんな自分はいなかった。
もしかして、冷めちゃった?

「で、、由紀は?」
「え?あ、あたし?」
きゅうにこっちくるんだな。
「んー、いない。よ。」
「えーつまんないー、」
つまらなくてごめんよ加恋。
「気になるなーって人とか?」
「んー、いない。」
「もうありえない!」
ありえなくてごめんよ加恋。
あたし、失恋してんだ。
失恋したんだ始めて。
5年間も片思いしてた人に。
でも、その片思いはあっというまで、、。前までは真野をみるたび、ドキドキした。緊張した。けど今は、何も感じない。恋愛対象にもならない。だから今日でこの恋はおわりにするんだ。
「って!みんな寝てるし!」
何時の間にかみんな寝ていた。
「…あたし起きてるよ?」
と言ったのは美紅ちゃん。
「あれ、美紅ちゃんおきてたんだ?」
「うん。ねれなくって。」

数分後、また美紅が話しかけてきた。
「ねえ?由紀?」
「ん?」
「さっきからさ、好きな人いないとか言ってるけど、ほんとは…
いるんじゃない?」
「っえ?」
ビックリして声が裏返ってしまった。
「そ、そんな!いないよ!」
「ほんとにー?」
見抜かれてるようで、すごく怖い。
でも、ここでこの恋を終わらせる良い機会かもしれない。
「…美紅ちゃん。実はね。いるんだ。好きな人。まあ、いた。の方がぴったりかな?」
「…やっぱり!で、誰なの?」
「言っていいのかわからないけど、いうね。…真野だよ。美紅ちゃんの彼氏。真野…。」
「っえ。」
美紅ちゃんはビックリしている。
やっぱ言ったのまずかった?
「本当?」
困らせちゃいけない!
「ほ、ほんと!でも!今は全然好きじゃない!冷めた!だから気にしないで。…5年間ずーと片思いしてただけだから。」
「5年間…」
ああ、言ってしまった。好きな人の彼女に。
でもこれでおしまい。
さよなら私の好きだった人。
さよなら私の片思い。