不幸ネット

 上沼の顔がみるみる赤く染まっていく。

 ああ、醜い。

 笑えば美人なんだろうけど、怒りで震えるその表情は実年齢よりも数段老けて見えた。

 ババア。

 私は心の中でそうつぶやいた。

 今までの私ならここでしおらしく頭を下げていたのだろうけど、毎日毎日続く上沼の嫌がらせに私は辟易し切っていた。

 小野田がいなけりゃアンタなんて……

 私は怒りで言葉を詰まらせる上沼を真っすぐ見据える。

「これからはご迷惑をおかけしないように、一度、私がメモした内容、きちんと確認して頂けますか?」

 いくら頭に血が昇っているとは言え、相手は上司だ。

 必要以上の失言はかえって自分の首を絞める事になる。

 私は最大限の皮肉を込めて言い放った。