不幸ネット

 とりあえず、いつまでも無駄口を叩いているわけにもいかなかったので、私達は業務に取りかかる。

 上沼が出社してきたのは、それから三十分後の事だった。

「ほんと最悪」とつぶやきながら入ってきたのを見るに、機嫌はなかなか悪そうだ。

 それでも、今回ばかりはこの件に関して私に直接何かを言ってくる事はないだろう。

 私は上沼の住所なんて知らないんだから。

 そんな様子を他人事のように一瞥して、私は再びPC画面に視線を戻した。

 今日一日、上沼は機嫌が悪かったけれど、車の方が気になっていたのか私は特に小言を言われる事もなく、比較的穏やかに時間が過ぎていったーー