それに比べて私は……

 歩きながら、まだ開院前の薄暗い眼科の窓硝子を何気に見る。そこには、気持ち良い朝に似合わない表情を浮かべる私の顔がぼんやりと映っていた。

 こんな顔してるから、余計に意地悪されるのかな……

 そう思い、少し口角を上げてみる。

 だけど、無理をした表情が続くはずもなく、すぐに口元は真一文字に垂れ下がった。