不幸ネット

「じゃ、良美さん、また明日! あ、一応例のサイトのURL送っておくね。別に利用してって言うわけじゃないけど、良かったら見てみて。それじゃ」

 鞄の中で携帯が振動する。おそらく美樹が送ったURL付きのメッセージだろう。

 私は美樹の背中を見送ると、鞄の中に手を伸ばした。

 酔いを冷ますついでに、私は例のサイトを見てみる事にした。

 別に興味があるわけじゃない。

 だけど、明日会社で美樹にその話題を振られた時に答えられないのも少し面倒だ。

「はあ……」

 人間関係というのは複雑だ。

 美樹の事は良い子だと思っているし、私の事をまるで自分の事のように心配してくれる姿勢にも感謝している。

 私はディスプレイに表示されたURLをタップする。