不幸ネット

 ……駄目だ。

 何も思い出せない。

 このままだと、私は上沼殺しの犯人という事になってしまう。

 焦りと恐怖だけが空回りする頭の中を駆け巡った。

 本当に……これは自分の仕業なの?

 私はここ最近、家から一歩も出ていない。

 それなのにどうして……

 ……!

 まさか……

 私は一つの可能性に思い当たった。

 自分の手首に手を添える美樹の姿が蘇る。

 あれは私が美樹のマンションに行った日。

 楽しく二人でお酒を片手に談笑していた時、私はあの不気味な音とバルコニーからこちらを見つめる女の首を目にした。

 美樹は結局何も気付かなかったようだけど、取り乱した私はそのまま意識を失った。

 ……そう思っていた。

 けれど、後から美樹に聞いた話だと、私はその後暴れ出してしまったらしい。

 美樹の左手首辺りについた傷は、その時に押さえつけられた私の爪が引っ掻いてつけたもの。