不幸ネット

「とりあえず、詳しい話はこれから署の方で聞かせてもらうわね?」

 私は促されるまま綾目に外に連れ出された。

 エレベーターで一階に降り、近くに停めてあったシルバーのセダンに乗せられる。

 そのまま運転席に綾目が乗り込み、ゆっくりと車は走り出した。

 全てがスローモーションに見える。

 感覚という感覚が麻痺してしまって、握り締めた拳もまるで別人のもののように思えた。

 ほどなくして警察署に到着した私は、おぼつかない足取りで署内へと入り、綾目に促されるまま小さな部屋へと通された。

 事務的に準備が進んでいく中、私は宙を見つめた。

 私が、やったの……?

 ずっしりと重い絶望感がじわじわと全身に広がる。
 
 何か。
 
 何か思い出さないと……