「ごめんね。仕事だって、大変だよね……」

 私が出社しなくなって、今度は上沼がいなくなってしまった。

 今の美樹にかかる負担は相当なものだろう。

 その上、疲れているにも関わらず毎日こうして私の様子を見に来てくれる。

 私は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

「気にしないで。全然大丈夫だよ。それに、私って案外逆境に強いみたい。何かもう、ばりばり仕事も進んで、気付いたら業務も終了! みたいな感じだから」

 八重歯を覗かせながら、美樹は目一杯の笑顔を私に向けるけれど、そんなのは私に気を遣ってくれているからに決まっている。

 目頭が熱くなる。