一体何が起こっているんだろう。

 気にしないように意識はしていても、自然と頭に浮かんでくるのは上沼の事だ。

 警察が捜査を始めたって言っていたけど、事件が解決するまでには一体どのぐらいの時間がかかるのか。

 分からない事だらけだったけれど、とにかく一日でも早く事件が解決してくれる事を私は切に願った。

 気をつけると言ったところで、何があるかは分からない。

 この事件が解決するまで、ずっと私は自分の身を案じながら恐怖に震える夜を過ごさないといけないのだから。

 もう何度目かも分からない深い深い溜息が無意識にこぼれた。

 それは部屋の重たい空気と共に深く沈んでいった。