不幸ネット

「まあ、いいじゃん。困った時はお互い様だよ」

 ふふっ、と美樹が笑った。

 私の顔にも少しだけ笑みが浮かぶ。

「鍵、前と同じでポストに入れとくね? ていうか、ちゃんと回収してくれた?」

  一応あの後鍵はポストから回収しておいた。

 何かの拍子に無くなっても面倒だし、どうせまた美樹が来るので使うかも知れないと思ったからだ。

 私は枕元に置いていた鍵を美樹に渡す。

「おっけ。じゃ、今日もゆっくり休んで。おやすみ」

 昨日と同じように美樹が私の手をさする。

 人の温もりに安心感を覚えた私は数分もしない内に深い眠りへと落ちていったーー