不幸ネット

 わけも分からず呆然としていると、不意に携帯からメッセージの通知を知らせる効果音が鳴った。

 今までの事もあり私の体は硬直する。

 ここ最近、こういうタイミングでの通知には良い思いをさせられた記憶がない。

 ブラウザを閉じ、私は新たに未読マークのついたメッセージアプリへと指を伸ばした。

『もうすぐ着きます。』

 私は胸を撫で下ろした。

 相手は美樹だった。

 そういえばもうそんな時間か、と時間表示に目をやると、時刻は十八時半を少し回ったところだった。

 おそらく、業務が終わってすぐにこちらへと向かってくれたのだろう。

 額に浮いた脂汗を拭いながら、私は上半身を起こした。