不幸ネット

 一方的に何かをしてもらうのはあまり気が進まない。

 何か自分のためにしてもらったのなら、自分も相手に対して同等か、もしくはそれ以上のものを返さないと気が済まないのは私の性分だった。

 なので、今の状況で美樹に何かをしてもらうというのは私にとって少し苦痛だった。

 考えが固いと言われてしまえばそれまでだけど、人の性分なんてそう簡単に変えられるものでもない。

 私は溜息をついた。

 今日美樹にはっきりと言おう。

 会社に対してどうフォローしてくれるのかは分からないけれど、無断欠勤をしている私の便宜を図って美樹が得をする事なんて何もない。

 むしろ、同じように非常識な奴だと思われてしまう可能性だって大いにある。

 それが原因で美樹の会社での立場が悪くなってしまったら、それこそ今の私にとっては精神的に大問題だ。

 私になんて関わらない方がいい。

 だって私はもう全て失ってしまったんだから。