「……私、もう駄目だと思う」

 部屋の奥に向かい、ソファに腰を落ち着けたところで私は重い口を開いた。

「駄目、って……大丈夫だよ。私が何とかするから。とりあえず、一度一緒に病院行って、会社には休職届を出そ? 今後の事については、それから一緒に考えようよ」

 まだ美樹は私に優しくするつもりなんだろうか。

 あんなにも酷い事を言ったのに。

 私は信じられなくて美樹の顔を見つめた。

「大丈夫だよ。良美さんが本心であんな事言ったんじゃないのは分かってるから」

 いつものような元気いっぱいの笑顔ではなく、美樹は控えめな笑みをこちらに向けた。