不幸ネット

「本当なんだよ。ちょっと待って、もう一回確認するから……」

「良美さん」

 半ば苛々と携帯を弄る私の手を、美樹がゆっくりと捕らえた。

「もういいよ。ね?」

「違……っ!ほんとにほんとなんだってば……」

 美樹の手を振り払おうとしたところで、私の手を握る力が少し強くなった。

「すごく言いにくい事なんだけど……」

 美樹は少し視線を逸らし、逡巡したように言い淀んだ。

「一度、病院に行かない?」

 何かを決意したような美樹の真っすぐな瞳が、私の目を捉える。