不幸ネット

「そう言えば、小野田部長との問題ってどうなってるんだろう?」

 美樹から初めて話を聞いてから、一体何日経った?

 まだ上沼はくだらない痴話喧嘩に精を出しているのだろうか。

「さあ? でも、どっちにしたってもう終わりでしょ。結局、不倫なんて本気になった方の負けだしさ。捨てられる側としては、せいぜいどれだけ潔く身を引けるかでしょ」

 忌々しい表情で、美樹は鼻を鳴らした。

 社内では澄ました顔で高慢ぶってるくせに、所詮は上沼もただの女か。

 女々しい女。

 いや、卑しい女という方が正しいのか。

「いっそ最後は派手に捨てられて、それこそ立ち直れないぐらいに落ち込んでくれたら、こっちも静かになってせいせいするけどね」

 不倫から始まる恋愛なんて、バレるかバレないかのスリルを楽しんだり、背徳感で気分が高揚しているだけなんだろう。

 そんなものに身を焦がしたって、結局は行き過ぎれば大きなヤケドを負う羽目になるだけ。

 色恋だなんて可愛い事を言っていられる内に、遊びは遊びとしっかり一線を置いて始めるべきなんだ。

 見境がなくなったら最後、あとはもうとことん堕ちていくだけ。

 そんなものに私は興味がないけれど、明日は我が身、いつ私にだってそういう状況が訪れるか分からない。

 他人事のようで他人事ではないな、と私は改めてそういったものに手は出さないと心に決めた。