不幸ネット

「おしゃれなマンションだね。うちとは大違い」

 思わず声が漏れる。

「いや、そんな事ないって。大層なのは外見だけ。中は普通のマンションだから」

 謙遜も交えながら、美樹が苦笑する。

 ちょうど一階で止まっていたエレベーターに乗り込むと、美樹は五階のボタンを押した。

「もし時間が遅くなっちゃったら、今日は泊まっていってもいいからね? 服とかも貸すからさ。良美さん、背丈も私と同じくらいだし、多分ぴったりだと思う」

 この時間から家飲みなんてしたら、結構帰りは面倒だろうな。

「うん、ありがと」

 私は美樹の提案に素直にうなずいた。

 泊まりの可能性までは考えていなかったので、準備も何もしてないけど、足りないものがあればさっきのコンビニで買ってくればいい。

 五階に到着したエレベーターを降りながら、私の頭はもう半分近く美樹のお世話になる事を決めていた。