不幸ネット

「何か、まじまじと観察しないでって言われると、逆に変に緊張しちゃうな」

 私は美樹に視線を戻す。

「あ、別にそういう意味で言ったわけじゃないから、気軽にくつろいでいってね?」

 美樹は鼻の頭を掻きながら私に言った。

 美樹が言っていたコンビニに到着した私達は、それぞれのお酒と適当なおつまみをいくつかカゴに入れレジへと向かう。

 会計を済ませて外に出ると、「あれだよ」と言って、美樹が少し先のマンションを指差す。

 あれか。

 まだ少し距離があったのと、暗がりでよく見えなかったけど、一人暮らしにしては結構大きめのマンションだと思った。

 コンビニの袋を片手に近くまで歩いてくると、思った通り、白い外壁の立派なマンションのエントランスが私を出迎えた。