不幸ネット

「ちょっと何々? 何でそんなに楽しそうなの?」

 私の笑顔に、美樹は不思議そうに小首を傾げた。

「ううん、何でもない。さ、早く行こう」

「あ、ちょっと! もう、教えてってば」

 多田に「お先に失礼します」と頭を下げて出口へと向かう。

 背後で美樹は何やら言っていたけれど、私はそのままドアをくぐった。