今日はみんな早かったのかな。

 買ってきたパスタをフォークに絡めながら、社内を見渡す。

 普段残業なんてほとんどしないので、うちの営業が普段どのぐらい残業しているのかは知らないけど、PC画面とにらめっこをしている多田以外の人間はもういなかった。

 何となくそちらを眺めていると、視線を感じたのか多田が顔を上げた。

「お疲れ様。やっと終わったんだね」

 にこりと多田は笑みを浮かべた。

「はい、何とか。……って言っても高田さんに手伝ってもらわなかったらもっと時間がかかっていたと思いますけど」

 私一人だったら一体何時までこの仕事と格闘していた事か。

 美樹には今度何か美味しいものでもご馳走しないと。