不幸ネット

 多田が上沼に対して、好意的な感情を持ち合わせていないのは何となく想像できた。

「あんまり無理しないようにね? 困った事があったら、その、部署は違うけど、相談ぐらいは乗ってあげられると思うから」

「ありがとう、ございます」

 急に声をかけられたので、大して気のきいた言葉も見つからず、私はそれだけ返した。

 多田はまだ何か私に言葉をかけようとしていたみたいだったけれど、自分の席から携帯の着信音が鳴ったのに気付くと軽く会釈をして自分の席へ戻っていった。

 急に何だったんだろう。

 でも、美樹以外にも私の事を気にかけてくれている人がいるんだな。

 些細な事ではあったけど、私はほんのちょっとだけ救われた気持ちになった。