不幸ネット

「良美さん、ちょっと」

 うつむき涙を流す私の腕を美樹が優しく掴んだ。

 どこに連れて行かれるのだろう、と思っていると、美樹はそのまま給湯室へと足を進めた。

 バタン……

 重く、沈んだ音が背後で鳴った。

「良美さん……ごめんね」

 何で? と思うより早く、美樹が私を包み込んでいた。

「そんなに思いつめてるなんて知らずに……私、先輩失格だね。そんな事、ちょっと考えれば分かる事だったのに……」

 甘い美樹の香りが私の気持ちを少しだけ落ち着かせた。

「わ、私……ずっと……ほん……とは、自分に……嘘、つい……て……」

 堰を切ったように溢れだす涙。

 自分でも何を言っているのか分からなかった。

 けど、そんな私をあやすように、美樹は「うん、うん」と何度も頭を撫で続けてくれていたーー