不幸ネット

 美樹が「何でもないです」とジェスチャーで社内に合図を送る。

 そのおかげで、とりあえず変な騒ぎになる事はなかった。

「何で……私だけなのよ……」

 もう、何もかもが嫌になっていた。

 上沼に言い返した事で、この状況にも少し変化があるかも知れない。

 そんな淡い期待。

 周りの人だって、いろいろと我慢をしながら頑張っている。

 だから、私ももっと頑張らないと。

 こんなところで挫けていては駄目だ。

 強く、強くならないと。

 そう思う事で自分を奮い立たせていた。

 折れそうな心はあえて気丈に振舞って見ないふりをしていた。

 私は大丈夫、って思い込もうとしていた。

 でもそれも、もう限界。

 もう、どうでもいい。

 疲れた。

 もう、何も考えられない。