ー5歳の時ー


一人の女の子が泣いていた


今となっては顔も覚えていない。



覚えているのは


その子は俺と同じ年
俺と同じで親がいない



揃った偶然…



そんな、女の子が泣いていたのは

自分の帽子を飛ばしてしまったこと



土手で下の方に落ちてしまった

手を伸ばしても取れなくて

下から登るにも危険な斜面だった