笑顔が止まらない踊る心止まらない
動き出すよ君のもとへ走れ走れ走れ
今はまだ勇気が足りない
少しのきっかけが足りない
動き出して僕の体
走れ走れ走れ
先輩が窓に手をついて歌い出したのだ。
俺はその歌詞に影響されてか、無意識に近付いて行った。
「あのっ…」
なぜかそのまま声を掛けてしまった。
「ん?」
「俺、新入生歓迎会の時先輩のダンスみてました!」
「ほんまに?わたしなんかをみてくれたん?笑」
先輩は少し関西弁のまざったなまった喋り方をしてた。
「気づいたら目がいってました」
「よくわたしをみつけてくれたな笑
だってわたしそんな目立つポジションやなかったで?笑」
「それでも誰よりも笑顔で踊っている先輩に惹かれてました」
「なにそれ~笑
でもそう言ってもらえてうれしいな~」
先輩は頬を赤らめて少し照れているようだった。
そんな先輩がとてもかわいらしくみえた。
「あの、先輩はどうしてここで…」
「あ~、わたしダンスが好きでなもっともっとうまくなりたいって思ってこうやって昼休みも練習しとるんよ。みんなに追いつくために」
「でも、ここって幽霊が出るって…」
「それわたしが流したんよ笑」
「えっ…」
「たまたまなここの鏡を見付けてな、ここなら練習出来るやんって思ってさ。でも人が来ると恥ずかしいやろ?だから適当に幽霊が出るって言ったらほんまに誰も来なくなったんよ笑」
「あ~、なるほど…」
「だから人目気にせんと練習できるんよ!」
「でも先輩お昼ごはんは…」
「わたしお昼食べん人やから笑」
「えっ、大丈夫なんですか…」
「だいじょぶだいじょぶ!ずっとそうしてるから体が慣れとるから!」
「えっ、ずっとですか…」
キーンコーンカーンコーン
「あ、もう授業始まるな!じゃあ、またね!よかったら体験入部来てな!バイバイ!」
先輩は手を振って行ってしまった。
「あ、名前…」
それにずっとお昼食べてない生活とか普通に心配するわ。
「体験入部行ってみるか」