「じゃあ2曲通してみよう!」

~♪~♪~♪

女子達が踊ってる間岸田先輩はずっと強張った表情で見ていた。

「はい、岸田と星くんに集合!じゃあ星くんからなにかあればどうぞ」

「えっと、前より振りにメリハリがついててよくなってると思います」

「なんか物足りないんだよな~。申し訳ないけどもう1回通してもらっていい?」

「はい!」

岸田先輩の言葉で女子達は再び踊りだした。

俺もじっと見てみるけどなにが物足りないのかわからない。

振りだって前と比べたらよくなってるのが初心者の俺でもわかる。

表情だってみんなついてる。

なにが物足りないのだろうか。

「岸田どう?なんかわかった?」

「みんな表情ついてるんだけど一定の表情なんだよね。なんか笑顔は笑顔なんだけどずっと同じ笑顔で表情にメリハリがないっていうの?好美はさ、口ずさんでるからっていうのもあると思うんだけど歌詞によって表情がまたちがうんだよね。最初のサビと最後のサビを比べると最後のサビがすごい笑顔な訳。だからみんなが表情にメリハリついたらもっと良くなると思う。1年生は言ってる意味わかる?」

「あんまり…」

「じゃあ好美のみたほうがはやいね。と比べたほうが分かりやすいよな。夏海も踊ってくれる?」

「はい」

~♪~♪~♪

河上先輩と宮原先輩が踊ってくれるのを見て俺は岸田先輩の意味がわかった。

宮原先輩は表情が一点張りで、河上先輩は表情豊かだ。

「どう?1年生は分かった?」

「はい、分かりました」

「じゃ、水分補給したら表情を意識してもう1回!」

「はい!」