キーンコーンカーンコーン

「はい、じゃあ今日はここまで」

「気をつけー礼」

「ありがとうございましたー」

「おい隆太」

「なんだよ俊」

「どうしてくれるんだ。隆太のせいで当てられたじゃねえか!」

「いやいや俺のせいじゃないだろ笑」

「俺はお前を恨んでやる」

「やめとけ。それより俺もう行くから」

「先輩を迎えにですか~?」

「普通に練習室に行くだけ」

「じゃあ俺先輩に会いに行こう」

「おい」

「何?」

「なにじゃねえだろ」

「よし、じゃあ隆太も行こう!」

「あ、ちょ、俊!」

俺は俊に手を引っ張られて強制連行された。

「なんだ先輩のクラスまだホームルーム終わってないじゃん」

「もう少ししたら終わるだろ」

「さようならー」

「あ、終わったっぽいぞ!」

俺は先輩を探した。

「河上先輩~!」

「あ、おい、ばか!」

俊も先輩を見つけ大声で手を振った。

「あ!佐藤くんに星くん!」

ぎゅ~

先輩は小走りで俺の元へ来て抱き着いてきた。

「好美~。あ、星くん、お疲れ~」

そこへ宮原先輩がやって来た。

「あ、お疲れ様です」

「好美なにやってんのよ~星くんから離れなさいよ~」

「わたしの星くんやもん!」

そう言って先輩は抱き締める力を強くした。

「あ、なに。好美と星くんってそういう関係だったの?」

「そうなんですよ!」

俺の代わりに俊が答えた。

「あ、体験入部に来てた子だよね?」

「はい!佐藤俊って言います!」

「んで好美と星くんはいつからこうなの?」

「あ、いや、その…」

「はいはい部活遅れるから行くで~」

河上先輩は俺と宮原先輩の手を引っ張った。

「佐藤くんまたね~!」

「はい!さようなら!」 

俊は颯爽と走って行ってしまった。

「ねえ、好美。わたし何も聞いてなかったんだけど。いつから?どっちから?」

「あーあー。なにも聞こえないな~」

「好美!真面目に答えなさい!」

2人の追いかけっこが始まった。