授業が始まってすぐ携帯が点滅した。

《はい、全部教えろ》

俊からだった。

俺は何から言えばいいんだ?

まあ、先輩と付き合うことになったのは言うべきだ。

それまでの過程も言うべきなのか?

俺はとりあえず先輩と付き合うことになったことを報告した。

〈先輩と付き合うことになった〉

《は?まじで?河上先輩?》

〈それ以外に誰がいんだよ〉

《どういう風の吹き回しなんだ》

おいおい、俺が勇気だして告白したのにこういうことを言うのか。

〈俺が告白して何回も何回も俺の気持ちを伝えたから?〉

《んでしつこい隆太に先輩は折れたのか》

なんだこいつは。普通は祝福するもんだろ。

〈お前殺されてえのか〉

《ごめん、嘘だって。おめでとう。よかったじゃん!》

〈さんきゅ〉

《もうキスはしたわけ?》

は?こいつは何を考えてるんだ。

すぐにそんなことできる訳ねえだろ。

〈いやいや、展開早すぎんだろ〉

《なんだ、してねえのか》

〈当たり前だ〉

《つまんねえ男だな》

〈俺はそんな軽く無いから〉

《てか俺とLINEしてていわけ?》

〈は?お前からするっつったんだろ笑〉

《愛しの先輩とはしないのかな~って》

〈先輩授業中寝てるから〉

《寝顔もかわいいんだろうな》

〈お前は黙れ〉

《や、ごめん、うそ》

「はい、じゃあ、佐藤。問2を解いてみろ」

「え、あ、…」

俊が当てられた。

あの調子じゃ話聞いてなかったんだろうな。