「はい、じゃあ集合!次からは大会の振り写しをします。今日の部活を終わります。お疲れ様です」

「お疲れ様です!」

「先輩、また夜迎えに行きますね」

「わかった!ありがとう。お疲れ!」

「お疲れ様です」

俺は家に帰ってご飯を食べてお風呂にはいって俊に言われた通り歌謡祭をみてた。

一体こんなのをみてどうしろって言うんだ。

「続いてのゲストはKAITOさんで~す」

「こんばんは~」

「今回の曲はどんな曲なんですか?」

「えっと、今回は純粋な男の子の目線になって書いてみました。ピュアな男の子の恋する気持ちを曲にしてみました」

「では、KAITOさんでFor youです。どうぞ!」

KAITOという人が歌い始めた。

「KAITOさんでFor youでした!ありがとうございました」

気づいたら頬に涙が伝っていた。

俺が先輩に伝えたいことが全部この歌詞に詰まっていた。

俺はこの歌を先輩に贈ろうと決めた。

レンタル店に走りKAITOさんのCDを探した。

そして空CDにやいてルーズリーフに歌詞を書いた。

先輩に気持ちが伝わるように一文字一文字に気持ちを込めて書いた。

そしてバイトがおわる時間になった先輩を迎えに行く。

「先輩お疲れ様です」

「星くん!ありがとう」

先輩の家に着くまで俺達は終始無言だった。

「星くん元気ないん…?」

「あの、先輩!」

「ん?」

「俺、先輩のことが好きです」

「へ…?」

「先輩の踊ってる姿をみて、歌を聴いてすごい上手で楽しそうで笑顔な先輩に惹かれました。そんな笑顔の裏には辛いことがあるってわかって先輩のことを支えたいって思いました。先輩の力になりたいんです。これ時間あったら聴いてください。俺の気持ちです」

俺はCDを渡して家に帰った。