「ですから平安時代は…」

ただいま日本史の授業中

おじいちゃんの先生でゆっくりしゃべるからとても眠気を誘う。

俺は机の下で携帯を開いた。

気づいたら先輩とのトーク画面を開いてた。

俺は流れに身を任せてくまが手を挙げてるスタンプを何個か連打した。

なんかこのくま先輩みたいだな。

俺は携帯をしまって黒板に目を向けた。

キーンコーンカーンコーン

「はい、じゃあここまで」

「気をつけー、礼」

「ありがとうございましたー」

ブーッブーッ

携帯が震えたので俺は確認した。

《真面目に授業受けなさい》

と、先輩からのメッセージだった。

それもおれが手を挙げてるくまに対してなのか怒ってるくまのスタンプを送ってきた。

〈いや、日本史のおじいちゃん先生だったから眠気覚ましにと思って笑〉

《わたしを眠気覚まし使うな!笑》

〈すいません笑先輩は真面目に授業受けてるんですね。えらいですね〉

《わたしは授業中爆睡やから》

俺は笑った。

人に真面目に受けろと言いながら自分は爆睡してるなんて。

〈先輩こそ真面目に受けてくださいよ笑〉

《眠たいから寝る。これのなにが悪いねん》

〈やっぱり夜バイトして朝早くからバイトしてるからなんじゃないんですか?〉

《ん~、かもしれんなあ笑基本体育以外は寝とるからなあ笑》

〈ダメじゃないですか~〉

《その代わり夜勉強しとるからプラマイゼロやで!》

〈いいんですかそれで?笑〉

《いいんやって!》

「隆太なに携帯みてにやけてんの?」

「うお!俊か」

「何お前、よしみっておまえ河上先輩かよ?」

俊に携帯を取り上げられた。

「俊返せ」

俺は携帯を取り返した。

「隆太お前いつの間にLINE交換したんだよ!俺にもくれよ!」

「は?あげねえよ。知りてえなら自分で聞け」

「いやいや、おれあれから先輩に会ってないからね?普通に考えて無理じゃね?」

「ほしいなら自分でなんとかしろ」

「隆太そこをなんとか!」

「やだね」

「ケチだなお前」

「なんとでも言え」

「男の嫉妬は見苦しいわ」

「は?お前なあ」

「図星か?」

「んなんじゃねえよ」

「じゃあ教えてくれよ」

「無理」

「認めたも同然じゃねえか」

「うるせえ」

「はいはい。先輩とラブラブしてて」

「そんなんじゃねえし」

「じゃあ、なにまだ告ってないわけ?」

「当たり前だろ」

「仲いいんだからさっさと言えばいいじゃん」

「それどころじゃねえんだよ」

先輩は1人でいろんなものを抱え込んでる。

これで俺が気持ちを伝えたら先輩がまた苦しむんじゃないかって思う。

これ以上先輩を辛い気持ちにさせたくはない。

だから簡単に自分の想いを打ち明けられない。







いつまで俺の気持ちは抑えられるのか。