「先輩!」
「あ、星くん!おはよう」
「すいません、遅くなって…」
「だいじょぶだよ!じゃあ行こうか」
「先輩はほんとに歌が上手ですね」
「え?きいてたん?」
「はい、バッチリ」
「星くんが来るの遅いからや~…」
「ほんとにすいません。でも先輩の歌が聴けて嬉しいです」
「褒めてもなにもでえへんからな」
「何も求めてないですよ。でもさっきの歌いい歌ですね」
「やろ?わたしもめっちゃ気にいっとんねん!なんか人間としてのことっていうか、世界平和っていうか。とにかく元気になんねん!」
「ほんとにそのとおりだと思います」
「星くんは分かる子やな~」
「あれ?先輩、ネックレスつけてるんですか?」
「ああ、これ?勉強しとったらたまたま机からでてきてん。それでせっかくやからつけようかなって!」
先輩は星のチャームがついたネックレスをしていた。
それは自分の苗字とかけてるのではないかと勝手に自惚れた。
「じゃあ星くんまた昼休みにな!」
先輩は教室に行ってしまった。
「よお、隆太」
「なんだ俊か」
「なんだとはなんだ、お前」
「別になんでもねえよ。それよりなんだよ」
「朝から先輩と仲良く登校ですか?」
ニヤニヤしながら俊はきいてきた。
「だからなんだっつうんだよ」
「お前告ったのか?」
「ばか。簡単にできるわけねえだろ」
「お前早くしないと誰かに取られちまうぞ。そこらへんの男子みんなダンス部の小さい先輩かわいいって言ってんだからな」
「そんなこと言われてもよ…」
「まあ、お前なら大丈夫だ」
「なにを根拠に…」
「はーい、じゃあ出席とるぞー。席につけー」