ー昼休み
俺はいつも通り先輩が練習してる渡り廊下に来た。
先輩はダンスの練習をしていた。
1曲踊り終わったら次はイヤホンをして壁に寄りかかって歌い出した。
気づいたら片想い いつの間にか好きだった
あなたを想うその度なんだか切なくて
気づいたら片想い 認めたくはないけど
強情になっている分 心はもろいかも
その歌を聴いて俺は思った。
俺は気づいたら先輩に片想いしてたのか?
気づいたら先輩に惹かれていたのだった。
「先輩」
「あ、星くん!」
「相変わらずうまいですね」
「全然まだまだやで。でもありがとう!」
そう言って先輩はにっこり微笑んだ。
「先輩、俺ダンス部にはいることにしました」
「ほんまに?!」
「はい。初めてだけど先輩みたいに踊れるようになりたいって思いました」
「じゃあこれからたくさん踊ろうな♪」
俺と先輩はハイタッチを交わした。
「男の子がはいったからこれで岸田先輩も喜ぶな」
俺は先輩が岸田先輩の名前を出したことにもやもやした。
他の男の奴の名前なんか出してほしくない。
なぜかそう思ってしまった。
「今日からよろしくな、星くん」
「こちらこそよろしくお願いします」