ー教室

「お、隆太おはよ!」

「はよ」

「なんか元気なくね?」

「別に」

「別にってなんだよ」

「なんでもねえよ」

「もしかして河上先輩のことか?」

「お前なんでこういう時だけ鋭いんだよ」

「なんだ当たりか。先輩がどうかしたのか?」

「先輩部活のあとバイトしてるだろ?それだけじゃなくて朝学校に来る前もバイトしてて、土日も複数のバイトしてんだよ」

「は?まじで?」

「らしい」

「大丈夫なのかよ先輩…」

「本人は大丈夫って言うけどさ」

「そんで隆太はどうしたいわけ?」

「どうしたいって…先輩のそばにいて支えてやりてえよ」

「じゃあ先輩に恋してるのか」

「は?おま、別にそんなんじゃねえって」

「だってそうじゃねえのか?」

「俺は純粋にそばにいたいだけ。先輩の力になってやりてえだけだ」

「下心はねえのか」

「下心ってお前なあ…」

「先輩にドキドキしたりすんのか?そばにいたいだけじゃなくて」

「それは…」

「図星か。ドキドキすりゃそれは恋してるってことじゃんか」

俺が先輩のことを好き…?

わかんねえ。自分の気持ちが。

「そんなことよりさ、隆太は部活どうすんだ?」

「俺はダンス部にはいる」

「は?お前まじで言ってんの?」

「嘘でこんなこと言わねえよ。俊は?」

「俺はサッカーにする。ダンスはむいてねえみたいだからさ笑」

「そっか」

「それにしても隆太がダンスとか想像できねえ」

「俺だってできねえよ」

「やっぱ先輩のことが好きだから?」

「さあな」

「お前はぐらかすなよ」

「ホームルーム始めるから席に着けー」

担任がはいってきて俺達の話は終わった。