何度目の青空か 数えてはいないだろう
陽は沈みまた昇る 何か忘れてる
何度目の青空か 青春は見逃すな
夢中で生きていても時には見上げてみよう
今の自分を無駄にするな
渡り廊下に行くと先輩が窓に手をついて歌っていた。
青空か。雲ひとつない晴れた空の今日にぴったりな歌だ。
「河上先輩!」
「あ、星くんやん!おはよう!」
「あ、おはようございます!先輩は今日も練習ですか?」
「うん!基本毎日ここで練習しとるよ~」
「先輩歌も上手なんですね」
「聞いてたん?恥ずかしいわ~笑」
「今日にぴったりな歌ですね」
「やろ?こんなきれいな青空やったからこの歌うたいたくなってん!」
「あの、先輩…!」
「ん?なに?」
「連絡先とかって教えてもらえませんか…?」
「うん、ええよ?LINEでいい?」
「はい!」
俺は先輩と連絡先を交換した。
「先輩今日もお昼は食べないんですか?」
「お昼は野菜ジュースとたまにカロリーメイト食ってる」
「そんなんでもつんですか?体動かしてるのにそれしか食べなかったら倒れますよ?」
「今までこれで倒れてないからだいじょぶだよ~」
「あの、先輩気になってたこと聞いてもいいですか?」
「ん?なになに?」
ここでいきなりお昼を食べない理由とか部活終わったらすぐバイト行く理由なんて聞いたら失礼だろうか。
そう思った俺は先輩とチャームポイントとも言えるツインテールのことを聞くことにした。
「なんでいつもツインテールしてるんですか?」
「あ、これ?小さい頃からずっとこの髪型しててん。中学の時は時々違う髪型もしとったけどな?でも高校はいってダンス始めてから思ってん。この髪型しとる人おらんなって。ダンスするからにはたくさんの人にみてもらいたいやん?やから少しでも自分をみてもらえるように他の人と違う髪型にしてんねん!みんな編み込みとかポニーテールが多いからツインテールにしてみてん!しかも高い位置のツインテールをな」
そう、先輩は耳の後ろでするツインテールではなく頭の高い位置でツインテールをしてる。
言うなればうさぎのような髪型だ。
「まあ、わたしの場合は小さいから目はいくんやけどね笑
でも自分でもこの髪型気にいっとるからいつもこれやねん!小さいうえにこの髪型やからよく中学生に間違えられるんやけどね笑」
「先輩に似合っててかわいいです」
「…//」
「先輩…?」
「そんなん言われたら照れるやんか…」
下を向いて照れてる先輩の横顔はとてもかわいかった。
「あ!星くん今日も見学来る?」
「俺ダンスとかしたことないから…」
「そんなん関係ないって!わたしも高校から始めたし初心者からはいった人のが多いねんで?」
「え!そうなんですか?」
「そう!やからそんな心配せんでも平気やで?わたしがちゃんと教えたるもん!」
「じゃあ行ってみようかな…」
「ほんま?楽しみにしてる!」
キーンコーンカーンコーン
「あ、もう終わりか。早いな。じゃあ星くんまた部活でな!」
「あ、はい!なんか練習を邪魔してすいませんでした」
「気にせんでええよ!星くんと話すの楽しかったから!暇つぶしにでもまた来てな?バイバイ!」