「え~、これはエックスを代入して求める。そしてかっこ内を計算して答えがでる。まあ、これくらいは中学でもやったから簡単でしょう」

今は数学の授業中。

先生の説明を聞いて問題を解くのくり返しだ。

ブーッブーッ

俺の携帯が震えた。

机の下で携帯を開くと

《グラウンドで河上先輩のクラスが体育してる》

とのこと。

俺はグラウンドに目を向けた。

ソフトボールをしてる先輩がいた。

先輩がバッターボックスにはいってこれから打つようだ。

カキーン

先輩の打ったボールはきれいな弧を描いて飛んでいった。

友達とハイタッチをして喜んでいる先輩がいた。

何度見ても先輩の笑顔はかわいいと思う。

キーンコーンカーンコーン

「はい、今日の授業は終わりです。問1の問題を次回までにやってきてください。」

「気をつけー!礼」

「ありがとうございました」

「おい、隆太みたかよ!河上先輩のホームラン!」

「みたけど」

「やばくね?河上先輩ってなんでもできんだな!」

「背は小さいけどな」

「背が小さくてもできるギャップだろ!まじで河上先輩好きだわ~」

「わかったから行くぞ。次は俺らが体育だぞ」

「あ、隆太待てよ~」