「バカじゃねーの?連絡できるのは俺だけだぞ?何かあったときのためにだから、俺はついてく。」
要はスマホを二回ほど振り、ニヤリと笑う。
「あたしは何のとりえもないけど、二人を守るよ!」
結衣はガッツポーズをして笑っている。
その時だった。

____パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・____

廊下の奥のほう、薄暗く何も見えないところから、足音が聞こえた。
「おい・・・!教室の中のどこかに隠れろ・・・!」
蒼井が小さな声で指示を出すと、要が静かに教室のドアを開けた。
急いで入り、全員が入ったのを確認した要は、またドアを閉める。
私は、掃除道具入れ。蒼井は、私の上の体育館シューズ入れ。
その隣に、結衣。私の掃除道具入れの横の掃除道具入れに要。
つまり、固まって隠れている状態になる。

________ガラッ・・・_________

教室のドアが開く音が聞こえた。ふと、隠れている所の戸に、ちょっと隙間があり、のぞきこんだ。暗くてよく見えないな・・・。でも、誰かが歩いてるのは見える。もしかして目玉さん・・・?要との間にある壁に穴を見つけ、のぞきこみ、小声で話しかける。
「要・・・!」
「あ、今なんか来たか・・・!?」
「そうみたい・・・!でもよくみえないの・・・」
こそこそ・・・っと聞こえないように話、また隙間をのぞく。
(あれ、さっきより真っ暗だ)
よくよく見る。私はそれを一瞬でなんだか判断をした。
(髪の毛だわ!ここにもたれてる!!)
どうしよう。出ようにも出れない。今の会話を聞いているのかもしれない。
そう思うと、冷や汗が背中をつたっていった。
「要・・・!!」
「なんかわかったか・・・!?」
「誰かがここにもたれてるの・・・!しばらくは会話できないわ・・・!」
どうしよう・・・怖い・・・もし目玉さんだったら、間違いなく殺されるわ・・・!