昼休み、いきなり蒼井に呼び出され、いつもは開いていない屋上に行った。
「どうしたの?」
「本気で目玉さんに会うつもりかよ。」
真剣な目つきで、蒼井は私を見つめた。
「いないって思ってるんでしょ?いいじゃない。」
「よくねぇよ。・・・後悔するぞ。」
「なんで後悔するのよ。話をつければなんとかなるじゃない。」
「異界の奴に日本語が通じるかな」
『後悔するなよ』『異界の奴に』。いったいどうしたのだろうか。
普段はそんなこと全く口にしない。呼び出しなんてしないし、呼び出したとしても、場所の選択が蒼井ではない。だっていつも裏庭だから。

はと目が覚めた。時計の針の音が、静寂な教室を動き回る。
時計をみると、もう18時だ。外も真っ暗で、何も見えない。

ここから恐怖が始まったのは、すぐ私にも察知できた。