『目玉さんがでるんだって』
最近、私たちの学校でそんな噂が流れ始めた。
「絶対でるわけねぇじゃん」と蒼井は言い放つ。
でも私はそうは思わない。

この学校は昔、いじめで目をくりぬかれ、死んでしまった子がいるからだ。
随分前の話だし、私たちが生まれる前の頃に起こった事件だったそうだ。
目をくりぬくって、いじめを超えてるような気もするけど・・・。
「じゃあ、今夜試してみない?」
「馬鹿言うなよ。夜にどうやって試すんだよ。」
「私、学校に入る裏口見つけたんだぁ~。そこならバレずに入れるって!」
蒼井は一瞬顔を歪めた。そして
「二人は心細いし、もうちょっと集めようぜっ?」
と、焦ったように言い出した。
怖いんだろうね。唇が青ざめてきている。
「別にいいけど。」
私がそう声に発すると、蒼井は安心したように、ホッと肩をなでおろした。

結局、集まったのは、私と蒼井を合わせて4人。
私の親友、結衣と、蒼井の友人の、要だ。
「ねぇ、星羅ちゃん、楽しみだね!」
辻本結衣(つじもとゆい)。自称『オカルト部』に所属している、ホラーが大好きな女の子だ。
部員は結衣たった一人だけど。
赤石要(あかいしかなめ)。蒼井と同じバスケ部所属の、大人しい子だ。こう見えても、一応お寺育ちなんだとか。
伊藤蒼井(いとうあおい)。私の幼馴染で、昔からうるさいやつだ。でも、言ってることは大体正論だったりする。
そして私、花実星羅(はなみせいら)。どっちかというと、ちょっと馬鹿にかたよる、普通の女の子。