桜が舞い散ってゆく、出会いと別れの季節。
今日はこの二人のお別れの日。

小さな公園で指切りげんまんをする、
かわいらしい女の子と、優しそうな男の子。
この二人がいつか必ず再会できるように。
ひとつだけ、約束をする。

『ぼくたちが、こーこーせいになるひ。
かならずきみをむかえにくるから。
その日まで、待っててね?』

まだ5歳の男の子の瞳はまっすぐに女の子を見つめ
小さな小指をつき出す。
女の子はそれを見て、嬉しそうに微笑み

『ぜったい、ぜ~ったいだよ?』

そう言って男の子の小指に自分の小指を絡める。

『『指切りげんまん嘘ついたら針千本の~ます!指切った!』』

証人は、真っ赤に染まった『蒼空』と、風に揺らめく公園の『桜』達。

10年後の再会を誓い、男の子はこの町を離れていく。

再会するその日を夢みて。