放課後
僕は帰ろうとしたが、門で待っていた高石が引き止めた。

「おいおい。元気出そうよ。あれぐらいでめげちゃダメだよ。」

「あの、この際だから言わせ貰うからな。もうサッカーの話はしないで欲しいんだ。」
僕は高石にハッキリ言った。

「なんでだよ?」

「冷静になれよ。もう無理なんだからあきらめろよ。」

「何言ってんの?ホントは藤堂もやりたいくせにさ」

「迷惑なんだよ。お前のせいで散々だ。友達も離れていった。」

「あんなのが友達かよ?新しい仲間集めれば良いんだよ」

「都合の良い事ばかり言うなよ。お前さえ転校してこなければ、退部せずに済んだんだ。」

少し間があった後高石は聞き直した。
「サッカー部辞めたの?」

「もう付きまとわないでくれ。」

「良いのかよ?お前は絶対やりたいはずだろ?退部取り消そう、俺も付き合うからさ。」
っと言い高石は僕の腕を掴んだ。
だが僕は高石の手を振り払った。

「離せよ。お前がやりたいだけだろ?ほっといてくれよ。うんざりなんだよ。俺のやりたいようにやらせてくれよ。」

またしばらく間が空いた後、高石はこう聞いた。
「お前…ホントにそう思ってんのか?」

「あぁ」
僕がそう言うと、高石は黙って去って行った。