Blackberry〜黒い果実〜

それが何の意味を持っているのか分からずに、顔を上げて店長を見つめる。
相変わらずの笑顔が私を見ていた。


「んっ、若葉ちゃん」


その言葉とともに差し出された指先が軽く上下する。


何かを求めている感じは分かるんだけど、何かが分からずに軽く首を傾げる。
その動作に気付いた店長は、軽く息を吸い口を開いた。


「よ・て・い!! 三月の」


「アアッ! スイマセン」


上げたばかりの頭を直ぐさま下げた。