不意に身震いがした。
鳥肌が這うように立ち、寒いという感覚が忘れていたかのように思い出される。


ああ、そういえば降りそうな空模様だったな。
今日は……、ダメか。


立ち上がり、腕時計を見て目を一度閉じた。


必死になりすぎだろ?


自分で自分にそう問い掛け、答えの出ない考えを巡らす。


考えるだけ時間の無駄か。


閉じていた目を開き、照明を消した。
部屋には静寂が戻り、淋しげな様相が主を待っているように見える。